株式会社TKC様
株式会社TKCはTKC全国会と一体となって税務・会計システムを展開。中でもGプロジェクト推進部は上場企業に向けた税務・会計システムの開発・導入支援・保守を担う。電子申告では59万社以上の処理実績、連結納税システムでは900企業グループ12,000社以上の導入実績など圧倒的な実績がある。また、TKC全国会と連携することで、上場企業グループ内の子会社を全国的に支援するなど、システム提供のみに留まらない税務・会計のサポートに強みを持つ。

「電子申告義務化」への需要を見込み、今までの延長線ではない体制構築を

執行役員 Gプロジェクト推進部長
								兼電子申告義務化プロジェクト推進室長
								富永 倫教 様

執行役員 Gプロジェクト推進部長
兼電子申告義務化プロジェクト推進室長
富永 倫教 様

富永 : 我々の業界では、2020年開始年度からはじまる「電子申告義務化」が近年でもっとも大きなテーマです。当社の製品やノウハウを必要としている企業が多いため、今までのスピード感の延長ではなく、爆発的に売れる体制を作らなければならないという課題がありました。そんなタイミングで組織変更があり、広報とマーケティングの機能を現場に落とす方針が打ち出されました。しかしながら、現場にはまだマーケティングのノウハウがないという状況でしたので、まず着手したのがマーケティングを学ぶための書籍の読み合わせでした。

本橋 : ウェブマーケティングの本を探してみるとBtoCの本はたくさんあるのですが、目指しているテーマの本になかなか出会えませんでした。書籍選定の依頼を受けて、改めて書店を探してみると「BtoBウェブマーケティングの新しい教科書」がおいてあり、求めている本があったと驚き、即決で購入しました。輪読を進めていくと、読むたびに良い内容だと実感しました。当社の実情にもフィットしていて、どのようにウェブマーケティングを進めていけばよいのかイメージが湧いてきました。印象に残っているのは「小さな成功を積み重ねていくことが重要」ということや「データは眺めているだけでは意味がなく、着目するポイントを定めて分析をしてくべきだ」という部分です。今でも気を付けています。
Gプロジェクト推進部
								マーケティング推進部 次長
								伊藤 栄芝 様

Gプロジェクト推進部
マーケティング推進部 次長
伊藤 栄芝 様

富永 : 今までもウェブコンサルティング自体は受けていたのですが、組織変更に合わせてその内容について精査し、最終的にウィットへの発注を決定しました。今までの会社との違いは大きく2点あります。1つは税務やシステムという我々のビジネスをかなり深く理解いただいたうえで提案があったこと。もうひとつは、スモールスタートで検証を積み上げながら拡張していくという現実的な提案だったことです。

伊藤 : 他の会社もいくつか候補として検討しましたが、広告や集客に偏った断片的な打ち手のみを提案する会社が多かったと思います。ウィットは、今のウェブサイトのどこが良いとか、悪いとかを数字に落として議論ができ、何から実行すべきかを総合的に相談できたことが大変良かったです。最終的に、ご提案いただいた内容は「確かに成果につながりそうだ」ということが実施する前に感じられ、成果を着実に上げなければならないという我々の要望に寄り添ってもらえたと思います。

ウェブマーケティングとは何か?という状態からのスタート

Gプロジェクト推進部
								マーケティング推進部 課長代理
								本橋 直子 様

Gプロジェクト推進部
マーケティング推進部 課長代理
本橋 直子 様

伊藤 : 全員が「ウェブマーケティングとは何をすればよいのか分からない」というようなレベルからスタートしたので、実行段階は大変でした。当初ウィットにはコンサルティングとして入ってもらったため、毎回ダメ出しがあり、施策を実行するにはさまざまな視点で作らなければならないことを痛感する毎日でした。

本橋 : 私は、課題を指摘されクリアしていく日々は大変でしたが、どういう成果がでるだろうという楽しみの方が上回っていました。自分自身も以前よりこのウェブマーケティングのプロジェクトに時間を多く使えることとなり、毎回の会議は大変でありながらもわくわくしていました。

リード獲得が早々に今期目標を達成、ゼロ回訪問で受注も

Gプロジェクト推進部
								マーケティング推進部 主任
								窪田 拓海 様

Gプロジェクト推進部
マーケティング推進部 主任
窪田 拓海 様

伊藤 : 第一弾で主要なページ導線と資料ダウンロードの改良、ランディングページの見直しを行いリリースしたところ、初日から大きな反響がありました。コンテンツってこんなにダウンロードされるのか、リードも取れるのかと、きつねに摘ままれた感じでした。これまでに比べて、7倍以上のリード獲得を達成し、3カ月で1,000件以上のリードを獲得できました。リード獲得では今期目標を早々に達成できました。

窪田 : 初動はかなり好調でしたが、正直なところこの成果がどこまでつづくだろうか?と半信半疑な部分がありました。私が他のインサイドセールス担当メンバーの夏季休暇をフォローすることになり一時的にインサイドを引き受けたのですが、成果は落ちることもなく1日10~15件以上の引き合いがコンスタントにあり、正直さばききれないほどでした。その後も成果は落ちる気配もなく、これは正しいやり方だと実感できました。
Gプロジェクト推進部
								マーケティング推進部
								電子申告義務化支援グループ 課長代理
								青木 拓也 様

Gプロジェクト推進部
マーケティング推進部
電子申告義務化支援グループ 課長代理
青木 拓也 様

青木 : 私は営業出身で、今回のプロジェクトに合わせてインサイドセールスの立ち上げを行いました。インサイドセールスの立ち上げ自体が会社でも先駆的な取り組みであったため、ウィットに立ち上げをフォローしてもらいました。印象に残っているのが、私のトークスクリプトを隣で聞いてもらったところ、過去のフィールドセールスでの経験に引っ張られていると指摘を受けたことでした。例えば、関心がなさそうなお客様への対応の際、とりあえずセミナーの案内をしてしまうことがありました。しかし、セミナーに参加するかは、そのお客様の悩み事をセミナーで解決できるからセミナーを案内するべきであって、資料をダウンロードした理由をしっかりと聞いて、その顧客ごとの悩みに寄り添うことが大切だと教えられました。その後、すぐにオンラインのみでの営業活動でゼロ回訪問での受注を達成しました。それまでは営業の考えがまだ抜けずに、訪問してなんぼと思っている部分があったので、非常に驚いた経験でした。比較的商談率が高い「問い合わせ」からの商談だけでなく、「資料ダウンロード」などの関心層からの受注も出ており、インサイドセールスでも営業ができるという自信につながっています。

富永 : リードが劇的に増えて、インサイドセールスからの受注ができたことに、社内でもみんな驚いていました。数字として成果が出たことはもちろん素晴らしいのですが、それらの報告を通じて、社内のマーケティングへの意識が高まったことも成果です。他の事業部門からの質問が増え、良い先行事例になったと思います。また、きちんと仮説を立てて行動すれば変わるんだ、という意識が各メンバーに芽生えまし た。当部内の各メンバーの自信にもつながりました。ここまでの活動で、営業・マーケティング活動をしっかりと推進していく下地ができたと思います。インサイドセールスは1人での実験体制から、5人体制へ強化し、さらに問い合わせが拡大しても耐えられる仕組みができあがりました。マーケティングオートメーションの活用やインサイドセールスの仕組みもより高いレベルへチャレンジしていく予定です。

現実解に落とす提案で、過度に負荷のかからないプロジェクト運営だった

会計事務所事業部
								デジタルマーケティング推進部
								GrHP グループ 課長
								江崎 睦 様

会計事務所事業部
デジタルマーケティング推進部
GrHP グループ 課長
江崎 睦 様

江崎 : 私たちのデジタルマーケティング推進部は、もともと各部門のウェブサイトの更新や保守がメインではじまりました。広報体制の変更に伴い各事業部にマーケティングの主責任が下りてきて、本格的なマーケティング支援がはじまりました。私たちもコンサルティング会社の選定から関わらせてもらっていますが、ウィットは大きなコストをかけて真新しいものを作るよりも、まず改善できる課題を見つけて、現実解に落とす提案をもらえたことが良かったです。我々運営を行う側へ過度な負担にならない配慮もあり、無理なくプロジェクトを進められました。当初、各部門でマーケティング活動をどこまでやれるのか?と不安な部分もありましたが、Gプロジェクト推進部が先行して成功事例となってくれました。私たちもさまざまな事業部をより高いレベルで支援したいという思いがありますが、過去の施策の踏襲になっていた部分もあり、今回のプロジェクトはよい刺激になりました。事業部ごとに顧客の特性も異なるので、そのままの手法が当てはまらないかもしれませんが、他の事業部にも展開できる可能性は十分あるのではないかと思います。
会計事務所事業部
								デジタルマーケティング推進部
								GrHP グループ 課長代理
								有賀 奈緒 様

会計事務所事業部
デジタルマーケティング推進部
GrHP グループ 課長代理
有賀 奈緒 様

有賀 : 私は主に各事業部からの指示を受けて実際にウェブサイトの更新やデザインをする役割を担っています。
これまでウェブサイトの更新というと、言われた内容を修正するという作業的な意味合いが強かったと思います。今回のプロジェクトに関わらせてもらい、みなさんのメールのやりとりや指示書をみるだけで、やりたい作戦がわかり、意気込みも伝わってきました。そのため、私もその思いにどうにか応えたいという思いが強くなり、成果を出すために貢献しようと、いろいろと考えてデザインや更新に関わるようになりました。実際に成果が出たと聞いて、自分もその一翼を担えたことがうれしいです。その後、他の部門からの相談も受けていますが、各担当者は決してウェブマーケティングに詳しいわけではなく「とにかく目立たせたい。」「イラストをちりばめたい。」など、どのような成果を上げたいのか?が明確ではないものがまだまだありました。社内で成功事例が出たことで、こちらからも建設的な提案ができるようになりましたし、Gプロジェクト推進部がやっている方法ですよと言うと、良い方向に要件が決まることも多々ありました。全社的に成果が知られているので、非常に説得力があり、各部門との調整もスムーズになりました。

伊藤 : デジタルマーケティング推進部は、会社全体としての統制を取りながらインフラ管理や膨大なウェブページの更新を行い、各事業部間のハブ的な役割を果たしてくれています。当初は、事業部側としてもどうやって相談すればよいか?まだ手探りのところがありましたが、今回のプロジェクトを通じて役割の整理ができ、スピード感をもって進められるようになりました。

親身のコンサルティングに感謝、その後の追加プロジェクトで大手経済紙掲載も実現

富永 : ここまでやってくれるのかという親身のコンサルティングに感謝しています。我々が具体的な方針を出せないものについても、具体的な方法論まで踏み込んでアドバイスをしてくれました。とは言うものの、ただ頑張ってくれただけではだめで、数字も重要です。最終的に当初の目標は達成できるところまで道筋をつけてくれたことに大変感謝しています。また、コンサルティングで協働しながらプロジェクトに入ってもらったことで、自分たちでもPDCAを回せるような道筋をつけてもらったと思っています。その後の追加プロジェクトでは、ウィットの提案で市場調査を行いウェブサイトでリリース展開する提案をもらいました。市場調査公開のコツも教えていただき、大手経済紙にも掲載され大きな反響がありました。特に、社内では誰がしかけたのか?と話題になりました。世の中での波及まで見越して、コンテンツづくりができたのはまた新しい経験でした。

伊藤 : 0から1を生み出そうとするときに、アイディアがあっても、最終形にするのはなかなか難しいと感じる場面が多々ありました。そんなときに、どのような文章にするのか、コピーにするのか、デザインにどう落とすのか、ウェブサイトをどんなページとして展開するかなど、具体的にアドバイスがあり、実際に仕上げる後押しをしてくれました。実務に徹底的に寄り添ってくれるコンサルティングだったと評価しています。

我々ならではのウェブマーケティングの在り方を追求するパートナーに

伊藤 : 今回成果が出たからこそ、次の課題や可能性が見えてきた部分があります。例えば、税理士のみなさまの活躍の場をウェブマーケティングを使ってもっと増やすことができないかということ。TKC 全国会会員の先生も巻き込むことができれば、新しいウェブサイトの活用に可能性を感じます。また、電子申告義務化は一定の時期が過ぎれば需要はなくなるため、新たな税務課題や会計への課題へ発展させる必要があります。次の展開も引き続き検討していく必要があると思います。

江崎 : 今回の成功事例を通じて、社内のマーケティングへの要求レベルがあがることが予想されます。これまでは自分たちの部門メンバーのスキルでやれたものも、要求レベルに合わせてさらにレベルアップしていく必要があると感じます。また、各部門の要望に応えるだけでなく、各部門の課題を積極的に発見し、それらの解決の提案もできるように部門としての力も付けなければならないと思いました。今回のプロジェクトでは「数字で説明し、実現可能性が高いと感じる」ことがひとつのポイントだったと思いますので、他の部門でも実践していきたいです。

富永 : 我々に興味をもってくれた人を見つけ、提案を行い、受注するところまでは一定の成果を出せたと思っています。しかし、まだ興味をもっていない人に認知を広げ、興味をもってもらうところはこれからの課題です。外部メディアとも連携しながら、ニュースソースになるような展開をしていくこともその一つです。次のステップではそのような重要度も高まるのではないかと思います。
また、多くのユーザーを抱える当社ではユーザーサポートも重要なテーマです。サポートは徐々にウェブサイトを活用する方向に移行しており、新しいウェブマーケティングの活躍の場になりえるかもしれません。単なるリード獲得だけでなく、我々ができるウェブマーケティングの在り方を追求していきたいと考えていますので、今後もお力添えをお願いいたします。